難聴女児の遺族側が控訴 逸失利益「平均賃金の85%はおかしい」

松浦祥子

 大阪市生野区で2018年、聴覚支援学校に通う井出安優香(あゆか)さん(当時11)が重機にはねられて死亡した事故を巡る訴訟で、遺族側は将来得られたはずの「逸失利益」を平均賃金の「85%」が相当とし、重機の運転手側に約3770万円の賠償を命じた一審・大阪地裁判決を不服として大阪高裁に控訴した。10日付。

 逸失利益は、障害がある場合は低くされることが多い。訴訟で、遺族側は「健常者と同水準」、被告側は平均賃金の「6割」を主張していた。遺族側は、控訴理由を「15%を削られたのはおかしい」としている。

 地裁判決は、難聴によって他者とのコミュニケーションが制限されうるが、安優香さんは学習に支障はなく、様々な就労の可能性があったと認定。音声認識アプリなどで難聴の影響を小さくできるとし、逸失利益を、聴覚障害者の平均収入(平均賃金の約7割)よりも高く算定した。(松浦祥子)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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