雨でも安心! 傘を自立させる新商品 大学内での困り事がヒントに

 愛知学院大学の学生が、持ち運びができ、水受けにもなる自立式の傘立てを開発した。教室でぬれた傘を置く場所がなくて困ったという実体験が、商品化のきっかけ。どれだけ多くの消費者に訴えかけられるか、現在は販売の方法や戦略に知恵を絞る。

 「KASATATSU」(カサタツ)を開発したのは、経営学部4年の浦野実咲さん(21)と坂晃成さん(21)。潜在的なニーズを解決するデザイン思考の研究をしている。

 新商品は、石突に取り付けるだけで傘を自立させられる。水受けがあるため、したたり落ちた雨で床がぬれることもない。外出先で傘の置き場を探す手間も省ける。

 シリコーンゴム製で、重さは約50グラム。小さめのたまご1個分ほどだ。ビニール傘などさまざまな傘に対応する。特許庁に意匠を出願し、5月22日に登録された。

 商品化は、大学3年生がゼミ対抗で競う商品企画大会「Student Innovation College」(Sカレ)の一環。Sカレ2022には、全国31大学の168組が参加し、民間企業8社が提供する課題に取り組んだ。

 2人は、プラスチックや電化製品などの製造販売をする旭電機化成(大阪市)の「暮らしに役立つ便利商品」部門への挑戦を決めた。

 しかし、アイデアが絞りきれず悩んでいた。ある雨の日、キャンパス内で傘に視線が向かった。机に立てかけたり、床に置いたり……。置き場に困った実体験がヒントとなった。

 また、傘立てがあっても、自分の傘が分からなくなったり、取り違えたりしたという声も耳にした。それなら自分の好きな場所に傘が立てられる商品をと、方向性が見え始めた。

 「身近な困りごとに着目し、誰もが使う傘の問題を突き詰めていきました」と坂さん。Sカレでは、企業の「お題」に対する商品企画をフェイスブックで公開し、「いいね!」で支持を集める。寄せられたコメントをもとにさらに改善を図った。

 2人は試作品をつくり、昨年…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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