雪で倒壊、火災も 強制労働伝える展示館に災難続く 支援呼びかけ

 戦前・戦中の強制労働の悲劇を伝えてきた北海道幌加内町の「笹(ささ)の墓標展示館」。展示館は2020年1月に雪で倒壊し、隣接する宿泊研修施設も昨年12月、火災に見舞われた。関係者は両施設の再建を目指し、募金を呼びかけている。

 展示館は、幌加内町朱鞠内地区にあった旧光顕寺本堂を改装し、1995年に開設された。

 運営するNPO「東アジア市民ネットワーク」代表の殿平善彦さん(深川・一乗寺住職、77)によると、第2次大戦中の朱鞠内周辺では、鉄道やダム工事に朝鮮半島出身者を含む労働者が動員され、「タコ部屋」と呼ばれる劣悪な環境で過酷な労働を強いられた。光顕寺の本堂には身元不明も含む多くの労働者らの位牌(いはい)が残されていたという。

 展示館では、共同墓地のササやぶから発掘された遺骨などを安置した。これまでの調査で強制労働の実態解明が進み、死者249人が確認され、うち45人が朝鮮半島出身者だったことがわかった。寺の庫裏は宿泊研修施設として使用し、日本や韓国、台湾などの市民らによるワークショップなども行ってきた。

 ただ旧光顕寺は1934年建立のため、長年の積雪で柱が大きくゆがみ、2020年1月23日には倒壊してしまった。

 NPOや各国・地域の市民が再建を目指して資金を募り、昨年9月には3千万円の目標額を達成したが、さらに災難が襲った。

 昨年12月26日、庫裏裏の…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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