雪氷学会が利尻山雪崩事故の調査報告、700メートル崩れ落ちたか

松尾一郎

 北海道利尻富士町の利尻山でバックカントリー中の女性1人が死亡した雪崩事故について、日本雪氷学会北海道支部の雪氷災害調査チームは11日、北海道庁で記者会見を開き、現地調査結果(速報)を発表した。

 今月3日の事故では、バックカントリースキーをしていた8人のグループのうち3人が雪崩に巻き込まれた。救助されたものの、帯広市の40代女性1人が全身圧迫で死亡。道警は業務上過失致死傷の容疑も視野に調べている。

 調査チームの国立研究開発法人土木研究所・寒地土木研究所の原田裕介・主任研究員らによると、雪崩は、利尻山の北東斜面の標高310メートル~650メートルの一帯で起きた。雪崩発生箇所の最上部に130メートルの破断面があり、そこから、長さ約700メートル、標高差340メートルにわたって崩れ落ちたという。発生原因となるメカニズムは分析中だが、付近に積もっていた雪が2月中旬の気温上昇や雨でいったん溶け、その後再び寒くなったために凍結。固くなったその上に雪が積もったがそれが不安定な積雪層になったと考えられるという。ただ、雪崩の引き金となった直接的な原因はまだわかっていないという。(松尾一郎)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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