大雪の際、雪道を歩くときにはどのようなことに注意する必要があるのでしょうか。冬季の歩行者の転倒防止活動などに取り組む「ウインターライフ推進協議会」(札幌市)の大川戸貴浩さんの話をもとにまとめました。
雪道を歩く時の注意点
まず、歩き方のポイントを大きく分けると、「小さな歩幅で歩く」「靴の裏全体を地面につけて歩く」「体の重心を少し前に置いて歩く」の3点です。
歩幅が大きいと体の重心の移動が大きくなり、転倒しやすくなります。重心が後ろにあると、かかとから後ろに滑りやすくなるので気をつけて下さい。
歩き方のほかに、時間に余裕を持って行動することも重要です。歩き方を理解したつもりでも、急いでいると忘れがちです。足もとに目を向けて滑りそうな道を見分ける、屋根からの雪の落下に気をつける、といったように、注意力が散漫にならないようにしましょう。
横断歩道などで止まっている状態から歩き始める時や、歩いている途中で速さを変える場合も転びやすいので注意が必要です。
携帯電話の使用など別のことに気を取られている時や、飲酒をした後も気をつけましょう。ポケットに手を入れたまま歩くのも禁物です。もし転倒しても、すぐに身を守る体勢を取れるようにしておきましょう。
身につけるものにも注意して下さい。スニーカーや革靴は避け、雪道に適した靴を履くことが重要です。つるつるの路面には、ピンや金具が付いたものや、深い溝のある靴底が望ましいですが、柔らかいゴム底や滑り止め入りのゴム底の靴も比較的滑りにくいです。ただ、トレッキングシューズのように、溝が深くても底が硬いものは滑りやすいので要注意です。
荷物などで両手がふさがっていると、転倒した際に大けがにつながりかねません。また、手提げのバッグは避け、リュックサックのように両手が動かせる状態にできるものを使いましょう。
寒さで体がこわばらないよう、きちんと防寒できる服装でいることも大切です。帽子や手袋の着用は、転倒時のけがを防ぐ役割もあります。帽子は衝撃を吸収する厚めの毛糸のものがおすすめです。手袋は、ぬれても水分がしみこまない皮革やポリエステルなどの素材で、厚手の暖かいものを選びましょう。
滑りやすい場所は
車や人の往来が多く、雪道が踏み固められている場所は特に注意が必要です。
その一つが横断歩道です。歩道や中央分離帯との境目は、傾斜が変化したり、段差ができたりしていることがあるので気をつけましょう。このほか、ガソリンスタンドなど車の出入りがある歩道や、バス・タクシーの乗降場所も、雪がタイヤに踏まれて固まりやすく、さらにタイヤの摩擦で路面が磨かれるため、とても滑りやすくなる場合があります。バスやタクシーから降りる際は特に注意して下さい。
橋は路面の温度が下がりやすいほか、トンネルの出入り口のように日陰になりやすい場所も要注意です。一般の歩道でも、日光の当たり方で路面の状態が異なっているところがあるので、足もとをきちんと見ながら歩いて下さい。
雪道を歩いたあとに、タイル張りの地下街や商店に入る際は、靴の裏についた雪や氷で滑ることがあります。雪道用のピンがついたものも、タイル張りのような場所では滑りやすくなってしまうので、外せる場合は外した方が安全です。
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ウインターライフ推進協議会が制作・運営している「転ばないコツおしえます」(http://tsurutsuru.jp/)では、転びにくい歩き方など、冬の道を歩く際に気をつけるポイントについて紹介しています。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル