磯部征紀
国土交通省は、若者らに広がる電動キックボードの安全性を高めるための素案を固めた。最高速度を抑制する装置(スピードリミッター)や独立した2系統のブレーキ、車両の識別性を高める点滅ランプなどの設置を義務づける。
電動キックボードなど新しいモビリティーをめぐっては、警察庁が交通法規の見直しを、国交省が保安基準の検討を進めている。
国交省が28日の有識者による作業部会で示した素案によると、いま原付きバイクと同じ車両区分の電動キックボードについて、最高時速が一定以下(時速20キロ以下を想定)のものは新設する車両区分「小型低速車」に分類。最高速度を超えないようリミッターを取り付ける。
車両によっては最高速度の設定が切り替えられるものもあり、低速設定時は歩道の通行が認められることも想定される。このため「識別点滅灯火」をつけ、その灯火の色を変えて速度設定がわかるようにする。
車両に独立した2系統のブレーキを設置するのは、片方が故障しても安全に停止できるようにするためだ。最高速度から全ブレーキを作動させ5メートル以内で停止できることや段差がある場所での安定走行も要件とする。方向指示器や警音器、ブレーキランプなども義務化する一方、バックミラーは不要とする方針だ。
不良品を流通させない工夫として、国が車両の安全性の審査を行う型式認定制度なども導入するが、原付きバイクと同様、審査は任意とする。国交省は今後の審議を踏まえ、関係省令などの改正時期や基準の適用時期などを検討する。(磯部征紀)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル