日本医療機能評価機構は17日、医師が手術室で1件前に手術をした患者の電子カルテの画面が開いているのに気付かず、誤って次の手術で患者の赤血球液を輸血部にオーダしてしまった事例などを公表した。電子カルテを一定の時間が経つと自動的にログオフする設定にするなど、医療機関による再発防止策を示して注意喚起している。【吉木ちひろ】
同機構によると、電子カルテを使用したオーダ時に、誤って別の患者に関するオーダをした事例は、2015年1月-19年7月の間に6件報告があった。内訳は、「処方」のオーダを取り違えた事例が2件、「輸血」が2件、「血液検査」が2件。
「処方」誤りの事例では、夜間帯に痙攣重積で救命病棟に患者Aが、発熱で小児科病棟に患者Bが入院していた。その際、医師は電子カルテの患者氏名を確認せずに患者Aのホストイン静注を患者Bの画面で処方した。その後、救命病棟の看護師から患者Aのホストイン静注が処方されていないと報告を受け、医師は入力が完了しておらず、指示内容が登録されていなかったと考え、患者Aの画面で処方した。薬剤師が続けて2人の患者にホストイン静注が処方されたことが気になり、医師に確認したことで誤りが分かった。
当該の医療機関では改善策として、▽医師はオーダの際に患者氏名、IDを十分に確認する▽2人の患者の電子カルテを同時に開かないようにする▽薬剤師は処方監査の基本と して、年齢・体重・投与量を確実に監査し、不審な点や気掛かりな点は早急に確認する▽看護師は疑問や不明な指示について、医師に必ず確認する-ことを報告している。
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