電話で優しく暗証番号を聞く男…実は詐欺犯 音声公開でわかる巧妙さ

 「『かけ子』は、だますことのプロ。実際の声を聞いて、いかに巧妙かを知って欲しい」。全国で特殊詐欺の被害が相次ぐ中、群馬県警は12月から、被害者宅に犯人グループからかかってきた電話音声の公開をホームページで始めた。たった数分の電話でだます手口を体感してもらい、被害を1件でも減らすのが狙いだ。

 公開された電話は、10月に県内の80代女性の自宅にかかってきたもの。女性はキャッシュカードをだまし取られる被害にあった。電話には録音装置が付いており、「被害をこれ以上増やさないように」と女性が公開に協力してくれた。

市役所をかたる男「介護保険料を戻したい」

 公開された音声によると、まず電話をかけてきたのは、市役所介護福祉課の職員をかたる男。自分から名前を伝え、丁寧な言葉遣いだ。「今年4月に『後期高齢者の介護保険料に関するお知らせ』という重要書類をお送りしました。お分かりですか」

 女性はこの書類に身に覚えがない様子。すると男は女性の具体的な住所を口に出して確認したうえで、「介護保険料を2万9800円も多くお納めされているのでお戻ししたい。そのための書類だった」と説明。返金手続きのため、「金融機関の担当者から本人確認の電話があります」といい、電話を切った。

 すると、金融機関の担当者を…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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