地震の発生直後、首都圏の主要駅は運転を見合わせた電車の運転再開やタクシーを待つ人たちであふれ、帰宅困難者対策に課題を残した。
東京都港区の会社に勤務する男性(38)は7日夜、勤め先の社内で地震にあった。仕事を切り上げて最寄りのJR品川駅に着くと、人があふれかえっていた。自宅は埼玉県川口市だが電車は動かず、タクシー乗り場には長蛇の列。「次の日も仕事がある中で、運行再開を待ち続けるのは現実的ではない」と、帰宅をあきらめて品川区の友人宅に徒歩で向かい、一晩泊めてもらったという。
台東区の会社に勤務する男性(52)も帰宅をあきらめた一人だ。JR錦糸町駅から、渋谷駅を経由して神奈川県内の自宅へと帰るのが普段のルート。だが、JRは動かず、別ルートの地下鉄も復旧のめどが立たなかった。タクシーよりは安価なホテルを探したが空きはなく、あきらめて会社に戻って仮眠したという。
東京駅も帰宅できない人が、タクシー乗り場に列をなした。JR東日本や東海は新幹線の車両計4本を一時滞在施設として開放。始発前までに計約350人が利用したという。
滞在施設、大半は開かず
2011年の東日本大震災では、東京、神奈川など首都圏で、その日のうちに帰宅できなかった帰宅困難者が約515万人出たとされる。
国は震災を教訓に、今後予想される首都直下地震や南海トラフ地震などを想定した帰宅困難者対策のガイドライン作りを進めた。退社・帰宅時間の分散とともに力を入れたのが駅近くでの一時滞在施設の確保だ。公共施設のほか、民間企業などと協定を結び、災害時に場所を提供してもらう。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル