僕はバッタの追っかけ――。
バッタに魅せられ、子どもたちに「バッタの自由研究」を勧める学芸員が、神奈川県厚木市にいる。
身近な昆虫であるのに、あまり研究が進んでいないというバッタ。だからこその面白さと可能性が広がっている、と力説する。
「着地はへたくそだし、ふだんは飛ばずに歩くことも。前脚で顔をかいたり、触角を掃除したり。しぐさに愛敬があって人間くさい。見ていて飽きない」
あつぎ郷土博物館の学芸員、槐(えんじゅ)真史さん(57)は、バッタの魅力をそう語る。
「バッタと人とのつながりは実はすごく深い。人が定住して農業を始めたことで次々に草原が広がり、バッタの生息地も広がっていった」
人間が手を入れた「半自然」にこそ、バッタがすめる環境があるのだという。だが、その草原は減り続け、「トノサマバッタはもはや、どこにでもいるバッタではなくなった」と危機感を募らせる。
活動の場、造成で危機に
原点は高校生の時だ。県立茅…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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