元日の能登半島地震で、最大となる震度7を記録した観測点は、石川県内で2カ所ある。その一つ、志賀町香能(かのう)は、住民が一組の夫婦のみの地域だ。自宅で揺れに襲われた森徹夫さん(72)は「あんなひどい目にあったのは初めてやった」と振り返る。
半島中西部の丘陵地帯にある香能。徹夫さんによれば、かつて10世帯ほどいた住民は徐々に減り、数年ほど前に徹夫さんと妻の外茂子(ともこ)さん(62)だけになった。自宅から約150メートル離れた場所に、今回の地震で震度7を観測した震度計がある。
1月1日午後4時10分、外茂子さんは外出中で、徹夫さんは1人で茶の間にいた。下から突き上げるような激しい縦揺れに襲われ、とっさにそばの柱をつかんだ。上下に「30センチ」ほど揺さぶられる感覚で、体重90キロの徹夫さんやテレビが宙に浮いたという。強い揺れは1分弱続いたように感じた。
築数十年の自宅は倒壊こそし…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル