震災、未来に受け継ぐ教訓 父から娘へ、同じ悲しみ繰り返さないため

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滝口信之 根津弥 西晃奈

 震災から12年を迎える朝。福島県南相馬市原町区の自宅の居間で、上野倖吏生(さりい)さん(11)はいつものように、写真の中でほほえむ4人に「おはよう」と声をかけた。写真の周りにはぬいぐるみや花が飾られていた。

 自宅のある地区は津波で多くの人が犠牲になった。その中に姉の永吏可(えりか)さん(当時8)と兄の倖太郎(こうたろう)さん(当時3)、祖父母もいた。

 倖吏生さんは震災から半年後に生まれた。姉と兄から1文字ずつ、父の敬幸さん(50)の「長生きしてほしい」という願いを込めた「生」を加えて名付けられた。2人の背を追うように大きくなった。外遊びが大好きで、学校では友達と鬼ごっこをして遊ぶ。この日も、敬幸さんと自宅の周りでボール遊びをしたり、縄跳びをしたりした。

 「きょうだいゲンカがしたい…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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