震災が結んだ絆は私をプロにした 元サッカー少年が受け継ぐ東北の魂

 2月25日、J2仙台の開幕戦となったアウェーの大分戦。後半28分、背番号「28」のFWがピッチに飛び出した。

 菅原龍之助(23)。プロ2年目をむかえるストライカーだ。

 存在感を放ち始めたのは昨季の最終節、町田戦。J2王者に苦戦する中で、右CKから始まったクロスに、181センチの上背を生かした得意のヘディングで合わせた。菅原にとってホームでの初得点だった。

 「ユアスタ(ユアテックスタジアム仙台)でゴールするのが目標だった。プロとしてのスタートラインは、ここからです」

 仙台のジュニアユース出身。しかし、ユースから直接トップに上がれなかった。大学に進み、プロをめざす。頭角を現し、複数のクラブからオファーがあったが、迷わず仙台を選んだ。「自分はユアスタの応援で育ったから、プロとして仙台に帰りたかった」

 宮城県石巻市湊地区で生まれた。6歳でサッカーを始め、小学校のときは10分間の休み時間でもボールを持って校庭に行き、20分くらいサッカーをして先生に叱られる。どこにでもいるサッカー小僧だった。

 しかし、2011年3月11…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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