多くの喪失を抱えたまちで、いくつもの凶悪事件が起きる。捜査の行方はあっと驚く展開に――。
中山七里さん(62)の「宮城県警シリーズ」は、東日本大震災の被災地を舞台にした社会派ミステリーだ。3部作で計50万部超のベストセラー作家に、あえて聞いてみた。
震災はエンタメになりますか?
1作目の「護(まも)られなかった者たちへ」は、もとは2016年に河北新報などに掲載された新聞小説。連載にあたっての河北新報社の注文は「仙台を舞台にすること」だけだった。
中山さんは、サンプルにと送られてきた同紙に載っていた記事に目をとめた。復興しつつある仙台に、生活困窮者が流入しているというニュース。
折しも全国各地で生活保護の不正受給や、行政が生活保護申請を受け付けない事例が問題になっていた。
小説のプロットは、数日でできあがった。
東北でよく売れた「護られなかった者たちへ」
福祉事務所の職員が無残な遺…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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