神戸の冬を彩る「神戸ルミナリエ」が、この冬から大きく模様替えする。阪神・淡路大震災を機に始まったルミナリエも、始まってまもなく30年が近づく。ルミナリエは神戸に何を残してきたのか。第1回から見続けて来た人たちに、思いを語ってもらった。
「ルミナリエは前向きな、生き残った人たちの励みになるものだと思います。鎮魂というイメージはあまりない」。そう話すのは、神戸市の中華街、南京町商店街振興組合理事長の曹英生さん(66)だ。
生まれ育った神戸は、震災で変わり果てた。ビルや教会は崩壊。活気があった南京町には人気がなくなり一部店舗も損壊、ガス臭が漂っていた。再起できるか不安だった。
南京町の店舗の緊急会合で、被災者に温かいものを提供して神戸を元気づけようと決めた。震災から2週間後、南京町で被災者にラーメンや水ギョーザを振る舞った。「久しぶりに温かいものを食べられてうれしい」と涙ぐむ姿が励みになった。2月2日には自身が社長を務める豚まんじゅう屋「老祥記」の営業を再開。他の店舗も徐々に店を開けると、観光客が戻ってきた。
■「有事の時こそ、自粛を自粛…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル