100年前、関東大震災で焼け野原となった東京で、そのわずか1カ月後に芝居の幕が上がっていた。出演していたのは、当時18歳の駆け出しで、その後大俳優となった水谷八重子。当時のことを、娘の二代目・水谷八重子さん(84)に語っていた。
「芝居のことは、私に何も話さない母だったんです。だから一度だけしてくれた話は、はっきり覚えています。それが、関東大震災のことでした」
地震当時、初代の水谷八重子は東京・神楽坂の自宅にいた。神楽坂は被害が小さかったが、混乱がおさまるまで関西に避難しないかと提案されていた。東京に残って芝居を続ける決意をしたのは、義兄で劇作家の水谷竹紫(ちくし)の言葉がきっかけだった。建物の屋上から焼け野原を見渡しながら、こう語られたのだという。
「東京は立ち上がる。その時…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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