歩行者用信号を全て同時に青にして、その間は交差点に車両が進入しないようにする歩車分離式信号。歩行者と車の事故の確率が減るため、大分市中心部にもこの信号を備えた交差点があるが、横断歩道ではなく、対角線上を渡る歩行者や自転車が後を絶たない。これは違法行為となるが、理由を探ってみると、青信号の時間が短いのではないかという疑問にぶつかった。
対角まで想定されず
JR大分駅の北西、徒歩15分ほどにある寿町1丁目交差点。国道197号と市道が交わり、東に県庁や市役所、南に駅、西には別府方面へつながる国道10号があって交通量も多い。近くにはマンションやアパートが立ち並び、通勤通学の時間帯には人の行き来も激しくなる。
試しに歩いてみた。対角にある所まで行こうとすると、横断歩道を2回渡らなければならない。だが、二つ目の横断歩道を渡り始めると、すぐに信号が点滅し始めた。何度か試したが、走らずに二つを渡りきることはできなかった。
青信号の時間を計ってみると、歩行者用は青になって点滅まで25秒、点滅から赤まで8秒だった。県警交通規制課によると、歩行者が1メートル1秒で歩く計算で時間を設定。担当者は「青の間に交差点の中で一番長い28メートルの横断歩道も渡りきれるようにしている」と説明する。ただ、歩行者が一度に対角まで渡ることは想定していないという。
車の通行量が多い交差点でもあり、時間は「車の円滑な通行も必要。交通量や交差点の広さ、渋滞の状況など車と歩行者のバランスを検討して決めている」としている。
この交差点については「歩行者用信号の青の時間が短い」との指摘もあるという。担当者は「その度に理由を説明して理解を得てきた」としつつも、車の通行量の多さから「現状ではこれ以上、時間を延ばすことは難しい」と語った。斜めに渡れるようスクランブル交差点化も制度上可能だが、現状ではその予定はないという。
■斜め横断 後を…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル