新型コロナウイルスの感染拡大に伴う文化芸術イベントの開催制限をめぐって、文化庁に設置された感染症対策を検討する専門家会合は、大声での歓声や声援などが上がることが考えにくいクラシックコンサートや演劇公演などでは、緊急事態宣言の解除後に「早期に収容率を100%以内まで緩和していくことが考えられる」などとする意見をまとめた。文化庁が19日発表した。
専門家会合は今月1日、文化庁次長の私的懇談会として設けられ、医療関係者ら3人で構成される。感染拡大のリスクを抑えながら文化芸術活動を継続・発展させるための対策を検討。まず緊急事態宣言解除後の開催制限の緩和について、大声での歓声や声援などが上がるとは考えにくいイベントに絞り、関係団体の意見なども聞いて検討した。
とりまとめた報告書では、大声での歓声や声援がなければ感染拡大リスクは低いと考えられ、これまで業種別ガイドラインに基づいて感染症対策が行われる公演では、観客間で感染が広がったケースは報告されていないと指摘。宣言解除後は、感染状況を踏まえながら、早期に収容率を100%以内に緩和することが考えられるとした。
政府が示すイベント開催の目安は、内閣官房が専門家の議論を踏まえてまとめている。萩生田光一文部科学相は19日午前の定例会見で、「報告を踏まえ、イベント開催制限の早期の緩和に向けて働きかけをしたい」と述べた。(丸山ひかり)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル