未着工のリニア中央新幹線静岡工区をめぐり、斉藤鉄夫国土交通相が8日、環境への影響を最小化する方向性などをまとめた国の有識者会議の報告書をJR東海の丹羽俊介社長に手渡した。注文をつけながら工事をおおむね了承した形だが、静岡県の川勝平太知事が着工を了承するか見通しは立たない。
同日、丹羽社長は報道陣に今後の対応を問われ、「報告書で整理していただいた内容を踏まえ、環境保全に関する課題の解決に向けて、積極的に情報を提供し、わかりやすい説明に努めて、関係の方々との双方向のコミュニケーションをはかる」などと述べた。
有識者会議は川勝知事の「静岡県とJR東海の行司役を国に務めてほしい」という呼びかけで始まった。まず、「大井川の水資源」について議論し、2021年12月に「工事で出た湧き水を導水路ですべて川に戻せば、中下流域の流量は維持される」とする中間報告をまとめた。さらに今回、環境保全のテーマでも報告書がまとまった。
環境保全については昨年6月から14回にわたり、トンネル工事による自然環境への影響を議論。主な論点は①水生生物②高山植物③工事によって発生する土の三つだった。
報告書では、工事中や工事前後にモニタリングの結果に応じて保全措置を見直す「順応的管理」が打ち出された。
この間、国交省幹部は流域自治体に説明を重ねた。JR東海と静岡県だけでは解決の糸口が見えないこの問題にしびれを切らした首長たちが、積極的に国の関与を求めるようになっている。
ただ、これで解決かというと…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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