兵庫県姫路市二階町。車も人も多くは通らない道路に面して、小さな無人の古本屋「二階町三番地書店」が元日にオープンした。広さは4畳半もあるかないか。でも運営者がびっくりするほど利用者がいるという。何が魅力なのか、のぞいてみた。
二階町商店街の東端、アーケードが尽きたところに三番地書店を運営するコミュニティスペース「そらにじひめじ」がある。書店はそこから2軒南隣。「そらにじ」のドアから5秒だ。店の前には1冊100円の文庫本が並ぶワゴン。それがなければ、見過ごしてしまいそうだ。
ドアを開ける。確かに無人だ。小さな卓と椅子があり、卓上には料金を入れるふた付きの木の器や感想を書くノートがある。4人も入れば「3密」状態。だから無人のほうがお客さんが気兼ねなく動ける。
壁も棚も白を基調とし、道路に面した壁は全面ガラスで店内は明るい。ガラス壁際には一つの本棚に、店外と店内から、それぞれ違う本の題名が見えるように並べられている。
本は播磨地域のカフェや雑貨店などに本を置かせてもらって販売する「陽(あきら)文庫」のもの。文庫を運営する水池陽さん(40)によると、三番地書店には文庫から単行本まで600冊前後を置いている。半月に1度、補充するつもりだ。
「そらにじ」は性的少数者や生活困窮者、ひきこもりに悩む人など生きづらさを抱える人たちの交流の場だ。水池さんは品ぞろえの一部は「ジェンダーや病、障害者について書かれたものなど、そらにじの利用者の目に留まるような本を意識している」という。
訪れた日、西脇市から40代の…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル