音声SNSの可能性 リアルタイムを共有する「内緒話」の特別感

メディア空間考 水野梓

 紙かネット記事か――。筆者が大阪の紙面編集者として働いていた7年ほど前は、新聞社のニュースをより広く届けるために、そんな風に言われていました。しかし今や、ニュースの届け方は2種類には限りません。YouTubeやTikTokといった動画発信のほか、ポッドキャストや音声SNSなどの「音コンテンツ」もその一つです。

 音声メディアには熱い視線が注がれています。2021年1月末から爆発的に広まった音声SNS「クラブハウス」は、雑談をオンライン化したともいわれます。その流れを追うように5月、ツイッターも音声コミュニケーション機能「スペース」を本格的に始めました。当初は「招待制」だったクラブハウスも7月、誰でも参加可能になりました。

 筆者が所属するウェブメディアwithnewsでは、以前から編集部員がクラブハウスで記事を紹介するなど、音声SNSを積極的に使ってきました。そこで7月、「スペース」のリリース記念として、Twitter Japanと共同で漫画『ちはやふる』の作者・末次由紀さんをお招きした公開インタビューを開きました。

 末次さんはクラブハウスも含め、音声SNSに親しんでいました。また、オンラインイベントなどではご自身の顔を出さずに登壇しています。「音声だけ」が前提のメディアは、よりフィットするのでは……とも考えました。

 クライマックスを迎えている…

この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。

残り:750文字/全文:1347文字

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment