音色で聴かせる中学生の「マ・メール・ロワ」、際立つ木管の色彩感

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熊谷姿慧、河原田慎一

 兵庫県姫路市のアクリエひめじで27日開かれた第72回関西吹奏楽コンクール(関西吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)の中学校の部Aに出場した各府県の代表は、全日本大会出場をかけた舞台で、それぞれが抱えた「目標」に果敢に挑戦し、レベルの高い演奏を聴かせた。

 フランスの作曲家ラベルを思わせる和音の進行と、日本の伝統音楽の要素が融合した真島俊夫の作品で、ともに銀賞を受賞した関西創価(大阪府代表)と西宮市立上甲子園(兵庫県代表)が印象的な演奏を聴かせた。上甲子園は、オーボエが情感豊かにソロを歌い上げた。関西創価はホルンに存在感があり、自由曲「富士山」で沸き立つ雲から富士山が威容をのぞかせる様子を鮮やかに描き出した。

 銀賞を受賞した加古川市立浜の宮(兵庫県代表)は、「どう余韻を残して曲を終われるか」をテーマに、練習に取り組んできた。何度も話し合いと練習を重ね、最後の1音に集中することを意識して臨んだという。

 部員は約30人で、大編成のA部門の中では少ない。それだけに、一人ひとりがしっかりとした大きな音を出すことも、目標に掲げた。防音機能のある音楽室ではなく別の教室で、窓を開けてより楽器を響かせる練習をした。部長でホルンの竹中桃子さん(3年)は「県大会の時よりもホールいっぱいに響かせることができました」とやり切った表情だった。

筆者の一人、河原田慎一記者は東京芸術大大学院の音楽学専攻を修了。記事後半では、宝塚市立宝梅、精華町立精華西、長岡京市立長岡第二、宇治市立東宇治の演奏について取り上げています。

 宝塚市立宝梅(兵庫県代表)…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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