(悩みのるつぼ) 相談者
50代女性です。最愛の一人息子を、突然に急病で亡くしました。もうすぐ一周忌です。
息子には重度の知的障害があり、小さい頃から私が中心となって面倒をみてきました。
母親べったりだった息子を16歳で亡くし、私が息子を支えていたつもりでしたが、精神的に私を支えてくれていたのは、息子の方だったのだと気づきました。
朝に昼に晩に、そして夜中に目を覚ましても、浮かんでくるのは息子のことばかり。今まで共に過ごしてきた日々が様々に浮かんできては、寂しく思い、涙する時がある毎日です。
私は仕事を続けており、夫や娘、周りの方々とも支えあって、いつの間にか1年がたとうとしているという感じです。
泣きたい時には、思いっきり泣いてもいいんだと、自分にいいきかせています。
しかし、泣いて悲しく思っている時に、泣いて悲しんでばかりいると、亡くなった息子も悲しくなって成仏出来ないから、元気に笑顔でいないととか、いつまでも悲しんで後ろ向きになっていないで、前向きに頑張っていかないとダメだとか、そんな考えが次々と頭に浮かび、ますますつらくなります。自分では、悲しんでばかりいるつもりはないのですが……。
この心の葛藤をどう整理して、私は生きてゆけば良いのでしょうか。
回答者 政治学者・姜尚中さん
最愛の子どもに先立たれることほど辛(つら)いことはないと思います。私もあなたと同じ不幸を経験した親として、察するに余りあるものがあります。私などあまりの辛さに、「わたしの生まれた日は滅びうせよ」(旧約聖書「ヨブ記」3―3)と、我が身を呪ったことさえありました。
それでも、息子の死から10年…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル