顕微鏡の奥で宝石のように輝く「珪藻(けいそう)」を使ったアートが人気を集めている。世界で数人と言われる「珪藻アーティスト」の奥修さん(52)は、10年がかりで約600の作品を制作。昨年秋には、作品の写真や作り方を紹介した本を出版し、ミクロの世界に広がる神秘を伝えている。
珪藻は海や川にいる植物プランクトンの一種で、ガラス質の殻を持っている。数万種のほとんどは0・1ミリメートル以下で、丸や三角、星、ラグビーボール形など多様な形をしている。
その珪藻を並べて組み合わせ、精緻(せいち)な幾何学模様や顔、風景などを描く珪藻アートは、多くの作品が米粒よりも小さく、肉眼では見えない。光の当て方によってきらめきや色合いが変わり、万華鏡のようだ。
奥さんは東京水産大学(当時)の大学院生の時に、珪藻の美しさに出合った。海洋環境の研究で東京湾のプランクトンを顕微鏡でのぞくと、一面に珪藻が広がっていた。「繊細で、彫刻のように整ったきれいな殻が大量に見えた」。大学院を出た後も珪藻の研究を続け、2007年に起業。研究や教育用に珪藻を観察できるようにしたプレパラートを販売し、アートにも取り組むようになった。
海や川の水から泥などを除き、…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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