星井麻紀
5分57秒43。「100人の風呂敷バケツリレーで、水100リットルを100メートル運ぶ最速タイム」のギネス世界記録が4日、達成された。群馬県桐生市で開かれたイベントで、リレーに参加した10歳から73歳の市民らは、大きな歓声を上げた。
イベントは、朝倉染布(同市浜松町1丁目)が独自の技術を施した風呂敷「ながれ」の発売15周年を記念して開催。水滴が風呂敷上を転がるほどの撥水(はっすい)力があり、これをバケツ状にして水を運ぶ。風呂敷のデザインなどで交流のある桐生市立商業高校で、同校の生徒60人、抽選で選ばれた市民ら36人、朝倉染布の社員ら4人が参加した。
参加者は1人ずつ番号付きのゼッケンを装着。「順番を変えない」「10分を超えたら失格」「挑戦は3回まで」などの注意点を確認した後、リハーサル。初めは風呂敷バケツの持ち方が悪かったり、隣の人に渡すタイミングがずれたりして、2割近くの水をこぼしてしまったが、「底の部分を触らない」などのこつを伝えるとすぐに上達。本番では少し手を滑らせた人もいたが、スムーズに進み、1回目の挑戦でギネス世界記録を認定された。
100番のゼッケンを背負ったのは元社員で「ながれ」のアイデアの生みの親でもある久保村健吉さん(69)。運んだ水を水槽に入れる担当で緊張気味だったが、「見て下さった方が新しい用途を見つけて、世の中のためになれば」とうれしそう。最年少参加者の曽根大地くん(10)は、「ながれ」を愛用する母住子さん(43)や父正彰さん(47)、弟の旭くん(7)と一緒に申し込んだが1人だけ当選。「ギネス達成できてすごく楽しかった」と声を弾ませた。
朝倉染布の朝倉剛太郎社長(51)は「明るいニュースがない中、素晴らしい成果が出て、ただただ感無量」と感激していた。(星井麻紀)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル