51年前の11月、ノーベル賞作家の川端康成が、評論家の大宅壮一の葬儀で読み上げた弔辞の原本が、雑誌の図書館「大宅壮一文庫」(東京都世田谷区)で見つかった。同文庫が創立50周年を機に公表した。悲しみを刻むように毛筆で記された約1100字が、同窓の友をしのぶ文豪の姿を物語る。
「私は生きて大宅君の葬儀に列し、弔辞を捧げるとは思わなかった(中略)。故人大宅君を哀惜追慕悲悼する念、列席のうちの多くの人よりも深痛が切ではないか」
弔辞は縦36センチ、幅2・3メートルの和紙にしたためられ、言葉を迷ったのか、上から修正した箇所もある。
雑誌やテレビで評論活動をした大宅は、1970年11月22日に70歳で死去した。葬儀はその6日後に、東京の青山葬儀所で、日本雑誌協会や日本新聞協会などマスコミ5団体による合同葬として執り行われ、約3500人が訪れた。
川端が読み上げた弔辞は、複…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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