風船が運んだヒマワリ、芽生えた絆 半年後の豪雨災害

 ひとつの風船が運んだヒマワリの種が、約50キロ離れた福岡県古賀市と東峰村の小学生をつないだ。3年かけて交流をあたため、この秋、学校ぐるみの交流会が実現。その後も、思いを伝える寄せ書きをするなど友情を育んでいる。

 10月末、東峰村立の小中一貫校・東峰学園の体育館に、歓声が響いた。古賀市立青柳小学校6年生47人と東峰学園4~6年生46人の交流会。青柳小の子どもたちが、東峰学園の子どもたちにヒマワリの種をプレゼントした。山口来夢(らいむ)くん(12)は、長沢小夜子(さよこ)さん(12)に「大事に育てて下さい」と照れくさそうに手渡した。長沢さんは「ありがとう」とほほえんだ。

 2016年12月、青柳小の3年生は人権啓発活動の行事で、ヒマワリの種を風船に付けて校庭から飛ばした。その一つを見つけたのが、長沢さん。登校中、木に引っかかった黄緑色の風船に気づいた。封筒に学校と山口くんの名前があった。「そんな遠くから飛んできたなんてすごい」。さっそく手紙を書いた。

 《こんにちは。わたしの名前は長沢小夜子と言います。福おか県朝くらぐん東峰村に住んでいます。東峰小学校の3年生です。お家の近じょにらいむさんの人けんの花の風せんがとんできました。(略)とんできたたねは大切に育てたいと思います》

 青柳小に手紙が届くと、ちょっとした騒ぎになった。山口くんは「もう結婚しい」と友達に冷やかされながら、長沢さんに返事を書いた。「知らせてくれてありがとう」

 半年後の17年7月、九州北部…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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