【神奈川】横浜市教育委員会は17日、市立中学校のプールで4年前、水泳部員の生徒が飛び込み練習中に頸椎(けいつい)を損傷し、後遺症が残る事故があったと公表した。同日の教育委員会臨時会で調査報告書と再発防止策を報告した。
市教委によると、2019年9月、水泳部の練習中に当時1年生の男子生徒がプールに飛び込んだ際に、泳ぎ出さずに浮き上がってきた。異変に気づいた他の生徒が顧問教員らを呼び、救急搬送されたという。
男子生徒は直後に「頭が痛い」と話し、頸椎を骨折したと診断されたことから、プールの底に頭を打ったとみられる。当日のプールの水深は1・16メートルで、文部科学省や日本水泳連盟の基準に照らして「不適切ではなかった」という。
学習指導要領では小中学校の水泳の授業では「水中からのスタートを指導する」としている。スポーツ庁は、部活動では指導者らが直接指導するなどの安全対策を講じた上で飛び込み指導をすることは可能としているが、男子生徒が飛び込んだ際は、顧問教員は2人ともプールの反対側にいて、そばで見ていなかったという。
医師や弁護士らで構成する市教委の学校安全部会は調査報告書で、顧問教員が付近にいない状態で生徒が飛び込みをしていたことから、「事故が生じる潜在的な危険があった。少なくとも1人の顧問教員はその様子をそばで見て指導をする必要があった」と指摘。「生徒に飛び込みでは重大な事故が多発していることを事前に指導するべきだ」と提言した。
市教委は水泳指導に関わる学校に注意喚起の通知を出したり、水泳部の顧問らに研修を実施したりして再発防止に取り組むという。(小林直子)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル