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新型コロナ対策をめぐり、スーパーコンピューター『富岳』によるシミュレーション映像が13日、新たに発表されました。 富岳が導き出した結論は、換気設備が整っていないコンサート会場で、対策をしないまま歌うと、合唱で生まれる気流によって、飛沫(ひまつ)は「上や前に向かって飛ぶ」というものでした。このほか、飛沫の飛び方に影響があるとしたのが『湿度』です。湿度が90%と60%の場合はほぼ同じようですが、湿度30%を境に、空中に漂う量が急激に増えることがわかったといいます。ただ、湿度が高くても、口からボタボタと落ちる大きな飛沫が、机に長く残る結果になりました。
理化学研究所チームリーダー・神戸大学、坪倉誠教授:「湿度が高くなると、机に落ちる飛沫の量が増えるので、それを触って自分の顔に触れるなどの接触感染のリスクが増える。逆に湿度が下がると、飛沫感染のリスク、特にエアロゾル感染のリスクが高まる」 座る位置でも感染リスクは変わります。換気設備がなく、間仕切りのない飲食店では、80センチ離れた正面で会話するより、40センチの距離に座る隣同士で会話するほうが、5倍の飛沫を浴びることになるといいます。 種類の増えた対策グッズについても、シミュレーション結果が出ました。フェースシールドや、口だけを覆うマウスガードでは、大きな飛沫の拡散は抑えられますが、小さな飛沫は下や上にとかなり漏れています。きちんとマスクをつけた場合が、一番拡散を抑えられているようです。
理化学研究所チームリーダー・神戸大学、坪倉誠教授:「『フェースシールドはマスクの代わりになります』というのを保証するものでは当然ありません。可能な限り、マスクの装着はフェースシールドと一緒に検討頂きたい」 東京都で39年の歴史を持つ、台東区民合唱団では早速、富岳のシミュレーションを参考に、対策の検討を始めました。口を覆う、マウスガードを付けた場合です。全員がつければ、飛沫は、上に広がりますが、前に広がるのは、抑えられるようです。ただ、マウスガードが、合唱での安全性を保障するわけではないとしています。
台東区民合唱団の団員:「マウスシールドをしてる人間の声の方が、マスクの声よりも聞こえがいい。マスクよりもマウスシールドのほうが、よく(声が)とんでいるみたいです」 続いては、人を減らした場合です。通常の8分の1まで人を減らし、前後左右を開けることで、飛沫が人にかかるリスクは、減らせるとしています。理由は、人が減ったことで、体温による上昇気流が弱まるからだといいます。台東区民合唱団では、間隔を空けるなど感染対策を徹底して練習を続けています。そのためには広い会場が必要で、お金もかかるといいます。
台東区民合唱団の団員:「マスクなどが大事とわかって、気を付けてやっていこうと思いました。皆で集まって歌えることが貴重なので、できればいいな」
Source : 国内 – Yahoo!ニュース