現役の空港滑走路をコースの一部にした島根県内のマラソン大会が、ランナーの注目を集めている。航空機が発着しない時間帯を巧みに利用した全国的にも珍しい試み。準備も大変だが、これまで16回も続いている。一方で、複雑な思いで見つめる人もいる。
「シンボリックなところを走ることができて感無量です」
初めて参加した女性ランナーはゴール後、感想を語った。飛行機になった気分になり、腕を大きく広げて走ったという。
島根県西部、益田市にある萩・石見(いわみ)空港。先月15日、16回目の「萩・石見空港マラソン全国大会」(同市教育委員会など主催)が開かれた。
萩・石見空港
1993年に開港。一日2往復の羽田便のみで、夏季は大阪(伊丹)を1往復する季節便が就航している。昨年度は季節便合わせて10万6074人が利用した。コロナ禍前(14万人台)には戻っておらず、利用者増は課題だ。
日本陸連公認のハーフマラソン、10キロコース、ファミリーコースの3部門に計1977人が参加した。ランナーは空港入場ゲートから入り、航空機の駐機場を通り過ぎ、滑走路(全長2キロ、幅45メートル)を駆け抜けた。滑走路を走る距離は、ハーフが3キロ、10キロとファミリーが1キロだった。
マラソンコースとして滑走路…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル