ぷるぷるとした具材で覆われ、その鍋の見た目は少しグロテスクだ。使うのは高級食材の白子にあん肝、そしてカキ。いずれもプリン体を多く含み、痛風のリスクが高まるとされるものばかり。一抹の不安を抱えながらも試してみたくなる常識外れの組み合わせは、老舗居酒屋を救った「珍鍋」でもあった。
【動画】ふしぎと人気な痛風鍋=福岡龍一郎撮影
仙台市青葉区の居酒屋「地酒と宮城のうまいもん処 斎太郎」では3月中旬、千葉県の会社員、角田諒さん(22)と蛯原秀人さん(23)が湯気立つ鍋をつついていた。
盛り付けられた白子やあん肝を箸でつかみ、ビールや日本酒と一緒に流し込む。SNSで見かけて食べに来たという角田さんは、「臭みがあるかなと思ったけど、全然なくておいしい」。蛯原さんも「若いうちに食べられてよかった」と満足げだった。
「このまま痛風になりそう」という客の反応から、その名も「痛風鍋」。たらの白子とカキ、あん肝がいずれも100グラムずつ。春菊や白菜、豆腐を合わせ、カツオと煮干しのだし汁で煮込む。3月いっぱいまでの期間限定で1人前3300円(税込み)。
「派手に送り出したい」常連客の頼みがきっかけ
親方の本郷修司さん(49)…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル