食材価格の高騰は、学校給食の現場も直撃している。「約20年で今回が一番の衝撃」と話すのは、大阪府千早赤阪村の栄養教諭・阪本恵津子さん(46)だ。ピンチを打開するため、阪本さんが練った「三つの作戦」とは――。
阪本さんは、府内唯一の「村」で小学校2校、中学校1校の計350食の献立を考え、食材の発注も自ら行っている。3月末、給食用野菜の入札価格を見て、目を疑った。
ジャガイモ1キロ540円。
勤め始めた18年前は、1キロ200円弱だった。年々値上がりし、昨年は平均331円だったが、また上がった。タマネギ、白ネギ、シメジなども軒並み上昇。青果会社によると、天候不良や、新型コロナウイルスによるロックダウンで中国産の輸入が減ったこと、農業資材の高騰などが影響しているという。
エネルギー量があり、かさ増しもできるジャガイモは、カレー、シチューなど多くのメニューに欠かせない。パンも1個あたり2~4円上がっている。
これまでも台風や長雨など試練はあった。「約20年で一番の衝撃」(阪本さん)には、作戦で乗り切るしかない。
4月下旬午前8時半、村の給食センター。調理室で8人の調理員が動き回る。最初に大鍋で煮詰められたのは、オレンジジュースだ。
「打つ手がない……」と、一時は悩んだ阪本さん。そこから三つの節約作戦」を考えます。その一つ「献立パズル」って何?
作戦その1。「市販のオレン…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル