飲酒して過密航路を2キロ逆航の疑い 船長を書類送検

 酒気帯び状態で貨物船を操船して東京湾の浦賀水道航路を逆航したとして、横須賀海上保安部は25日、貨物船「菱幸(りょうこう)丸」(総トン数749トン、5人乗り組み)の60代の男性船長を、内航海運業法違反(安全管理規定等)と海上交通安全法違反(浦賀水道航路の航法)の疑いで書類送検し、発表した。船主の石峰海運(愛媛県西予市)も内航海運業法違反で送検した。

 海保によると、船長は昨年12月7日午後4時ごろ、呼気1リットルあたり0・65ミリグラムの酒気を帯びた状態で菱幸丸を操船。狭い海域に多くの船舶が航行するため北行きと南行きで航路がわかれている浦賀水道で、約2キロにわたって航路を逆航した疑いが持たれている。

 菱幸丸はこの日、午後2時ごろに千葉県の袖ケ浦港を出港。海保の管制機関が逆航に気づいて無線で変針を求めたが応じず、巡視艇が汽笛を鳴らしながら約5分間にわたって並走。非番の船員が汽笛に気づき、正しい航路に戻したという。船長は出港前、船長室で焼酎約0・6リットルを飲んだと説明しているという。

 浦賀水道は、大型のLNG船やケミカルタンカーなど1日500隻前後が往来する日本有数の航路。海保は「無線や汽笛にも気づかず、道路交通法でいえば酒酔い運転にあたる状態。可燃物を積んだ船に衝突したら大惨事になりかねなかった」としている。(佐々木康之)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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