沖縄県で2019年に起きた人身事故のうち、飲酒運転の占める割合が3年ぶりに全国ワースト1になるのが確実となった。統計開始から16年まで27年連続最下位だったが、17、18年は最下位を脱していた。しかし、再び転落する。
うるま市の県道で1月16日、対向車線を逆走する車が見つかった。コンビニの駐車場に止まった車の運転手の呼気を警察が調べると、基準値の7倍のアルコールを検出。道路交通法違反(酒気帯び運転)容疑で緊急逮捕した。逮捕されたのは県警の警部(58)=2月14日付で辞職=だった。
県ぐるみで「飲酒運転の根絶」を掲げる中での逮捕に、県警幹部は「県民への説得力を失ってしまう」とこぼした。
県警によると、19年の人身事故は4075件。このうち飲酒絡みは93件で、全体の2・28%に上る。この割合が19年11月までの全国集計で沖縄はワースト1位。2位を0・19ポイント離す。県警の担当者は「ワースト1は間違いない」と話す。
沖縄県の飲酒運転が人身事故に占める割合は、統計を取り始めた1990年以降、終始ワースト1位。16年は全国平均0・79%に対し、1・99%と倍以上だった。検問などを強化した17年は45位、18年は46位と最下位を辛うじて脱した。
取り締まりに力を入れるだけに、18年の飲酒運転容疑での検挙件数も2356件と全国最多(警察庁調べ)。この年に飲酒運転容疑で検挙した1920人のうち午前6~10時の検挙は全体の3割。明るくなってからの検挙が多い背景として、県警担当者は、飲み始めの時間が遅く、明け方まで深酒する点を挙げ、「県民一人ひとりの意識を変えることが必要。道のりは遠い」と話す。(藤原慎一)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル