餓死した男児の母、聴取後に携帯を壊す 「知人の指示」

 福岡県篠栗(ささぐり)町のマンションで昨年4月、5歳の男児が餓死した事件で、母親が県警の任意聴取を受けた後、自分の携帯電話を破壊していたことが、捜査関係者への取材でわかった。県警は捜査を気にした知人の女が母親とともに証拠隠滅を図ったとみている。

 県警は、母親の碇(いかり)利恵容疑者(39)と知人の赤堀恵美子容疑者(48)を保護責任者遺棄致死容疑で逮捕した。2019年8月ごろから碇容疑者の三男翔士郎(しょうじろう)ちゃんの食事を制限し、昨年4月18日に餓死させた疑いがある。碇容疑者は容疑を認め、赤堀容疑者は「一切やっていない」と否認しているという。

 捜査関係者によると、両容疑者は翔士郎ちゃんの死の前後に携帯電話で連絡を取り合っていた。翔士郎ちゃんの死後、警察の聴取を受けた碇容疑者は自分の携帯電話1台を破壊。「赤堀容疑者の指示だった」と供述しているという。携帯電話には翔士郎ちゃんら3人の子どもの写真が入っており、関係者に「壊したくなかった。じっくりと写真を眺めてから壊した」と話しているという。

 碇容疑者は「警察に元夫の浮気については話すな」「葬儀に親族を呼ぶな」と赤堀容疑者に指示されたとも供述。碇容疑者は赤堀容疑者から「夫が浮気をしている」と聞かされ、一昨年5月に離婚したが、県警は元夫が浮気をした事実はないことを確認している。

 また、翔士郎ちゃんの死後、碇容疑者はもう1台の携帯電話で毎朝「おはよう」とメッセージを送るよう求められたという。赤堀容疑者は「あなたは母親だから逮捕される」と話し、毎朝のメッセージは碇容疑者が警察に逮捕されたかを知るためのものだと説明したという。(板倉大地、川辺真改)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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