和歌山市の選挙演説会場で岸田文雄首相に爆発物が投げつけられた事件で、聴衆エリアの首相に近い前列部分に、主催者側の関係者が固めて配置されていたことが警察関係者への取材でわかった。和歌山県警の警護計画案を警察庁が審査する過程で、首相に不審者を近づきにくくさせる「緩衝帯」が必要だと判断されていたという。
主催者側の意向や会場の構造などから聴衆と首相の距離が近くならざるを得ない中、攻撃を防ごうとの措置だが、投げつけを許す結果となった。警察庁と県警は当時の警護の状況を詳しく確認し、問題点や課題を整理する。
事件は15日午前11時25分ごろ、和歌山市の雑賀崎(さいかざき)漁港で起きた。衆院補選の応援演説に訪れていた岸田首相が演説を始める前、筒状の爆発物が投げられ、爆発した。
県警は警護計画案を事前に警察庁に提出。現場での警察官の配置や見込まれる聴衆の位置、緊急時の対処方法や首相の退避経路などが示されたとみられる。
関係者によると、計画案を審査した警察庁は、聴衆エリアの最前列と、演台などの首相の距離が5メートル程度と近い点を指摘し、対策をとるよう指示。県警と主催者側は、聴衆の前列部分は主催者側の関係者らで固め、一般の人が首相に近い場所に入りにくくすることにしたという。
こうした指示を県警から受けたという自民党県連の関係者は「演説を盛り上げるためにも、警護のためにも当たり前の鉄則だ」と話す。
捜査関係者によると、木村隆…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル