和歌山市の選挙演説会場で岸田文雄首相の近くに爆発物が投げ込まれた事件で、和歌山県警は威力業務妨害容疑で逮捕した兵庫県川西市の無職、木村隆二容疑者(24)を勾留期限の6日、火薬類取締法違反(無許可製造)の疑いで再逮捕する方針を固めた。捜査関係者への取材でわかった。
捜査関係者によると、県警が木村容疑者宅の捜索で押収した粉末が鑑定の結果、火薬と判明。原料の薬品類を調合するなどして火薬を無許可で製造した疑いで再逮捕する方針という。事件のあった演説会場で押収した筒状の物2本のうち、爆発せずに残っていた1本の内部からも、黒色火薬とみられる粉末が見つかっており、県警は製造した火薬を使って爆発物を自作したとみている。
木村容疑者は4月15日、和歌山市の雑賀崎(さいかざき)漁港で開かれた衆院和歌山1区補選候補者の演説会で、首相の近くに筒状の爆発物を投げ込み、演説を妨害した容疑で現行犯逮捕された。取り調べに対して一貫して黙秘を続けているという。
捜査関係者によると、県警は、木村容疑者が昨年6月に起こした国家賠償請求訴訟の資料を自宅で押収。訴訟記録によると、公職選挙法が定める被選挙権年齢に満たず、参院選に立候補できなかったことで精神的苦痛を受けたとして提訴していた。神戸地裁に出した書面では、安倍晋三元首相の国葬を岸田政権が決めたことを批判しており、県警が動機との関連を慎重に調べている。
木村容疑者宅のパソコンには、事件前日に公表された首相の和歌山市での演説日程を閲覧した履歴があるという。県警は容疑者が首相の予定を確認した上で、準備していた爆発物を持って事件当日の朝から和歌山へ向かったとみて、捜査を進める。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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