首相襲撃容疑者が起こした公選法巡る訴訟、大阪高裁が控訴を棄却

松浦祥子

 和歌山市の選挙演説会場で岸田文雄首相の近くに爆発物が投げ込まれた事件で逮捕、送検された木村隆二容疑者(24)=兵庫県川西市=が、年齢などを理由に選挙に立候補できないのは不当だとして国に損害賠償を求めた訴訟で、大阪高裁(本多久美子裁判長)は25日、訴えを退けた一審判決を支持し、木村容疑者の控訴を棄却した。

 訴訟記録によると、木村容疑者は昨年の参院選に立候補しようとしたが、公職選挙法が定める被選挙権年齢(30歳以上)に達しておらず、必要な供託金も用意できなかったために実現しなかったとし、精神的苦痛を受けたと主張した。

 木村容疑者はこの訴訟で、現行の選挙制度について「立候補が抑制されるから、従って投票行為が抑制される」「国民の信任を得ずとも統一教会などの組織票で当選し、国民に損害を与え続けている」などと持論を展開。安倍晋三元首相の国葬を決めた岸田政権を「世論の反対多数の中で強行した」と批判した。

 木村容疑者を巡っては、事件当時の精神状態を調べるため、和歌山簡裁が19日、9月1日までの約3カ月間の鑑定留置を認める決定を出した。(松浦祥子)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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