昨年春に首都圏の私立大に入学した学生のうち、親元を離れて通う人(下宿生)の1日あたりの生活費は過去最低の607円――。東京地区の私立大教職員組合でつくる東京私大教連が、そんな調査結果を明らかにした。毎月の仕送り額も過去最低となり、新型コロナウイルスの感染拡大で家計が打撃を受けたことがうかがえるという。
調査は2020年5~7月、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県にある9大学の新入生の保護者にアンケート形式で行い、5382件の有効回答を得た。
下宿生の保護者は全体の32%で、このうち3分の2が仕送り額を回答。新年度の出費が落ち着く6月以降の月平均の仕送り額は、過去最低の8万2400円だった。この質問を始めた1986年度以降、最低だった18年度の8万3100円をさらに下回った。最多だった94年度の12万4900円からは34%減少した。
また、8万2400円から家賃の平均額を差し引いた1カ月の生活費は1万8200円。1カ月を30日として1日あたりに換算すると607円で、最低だった18年度の677円から70円減った。最多だった90年度の2460円と比べると4分の1に減った。
アンケートの自由記述欄で目立ったのは、親たちの「コロナで収入が減り、(大学に入った子どもも)アルバイトが見つからない」「緊急事態宣言で大幅な減収があった」との訴え。東京私大教連中央執行委員長の白井邦彦・青山学院大教授は「学費を賄うためパートに出た保護者も雇用を切られるなどしている。どう生活していけばいいかという悩みに学生たちは直面している」と指摘する。(桑原紀彦)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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