新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染が各地で判明するなか、東京、埼玉、千葉、神奈川の1都3県知事が23日、テレビ会議を開いた。オミクロン株の感染拡大を念頭に、医療体制の強化などを政府に共同で求めることで一致した。年末年始を控え、都県民に、基本的な感染対策の徹底を求める共同メッセージもまとめた。
会議では、政府に対して、オミクロン株の感染力や重症化リスクについて、早期に情報共有することや、オミクロン株感染者の入退院基準を明確化することなど合同で要望することを決めた。
東京都の小池百合子知事は会議の冒頭、オミクロン株の市中感染が大阪と京都で確認されたことに触れ、「1都3県においても、医療提供体制の強化など、今後に向けた備えに万全を期さなければならない」と述べた。
埼玉県の大野元裕知事は、県内でも21日にオミクロン株の感染が初確認されたとして、「市中感染は避けられない」と危機感を示した。成田空港を抱える千葉県の熊谷俊人知事は、宿泊施設や保健所の業務が増えているとして、今後も水際対策に資源を投入していくべきだとの認識を示す一方、「国内での感染拡大防止のため、全体を見据えたリソースの配分が必要だ」と訴えた。神奈川県の黒岩祐治知事は、政府への要望について「必要な対策を講じることを改めて1都3県で申し入れることは非常に意義がある」と述べた。
年末年始の都県民への共同メッセージでは、外出時には混雑する時間や場所を避けることや、マスクの着用、こまめな換気など基本的な感染防止策を徹底するよう求めた。小池知事は「自分が感染しない、大切な人に感染させないようにぜひともお願いしたい」と呼びかけた。(笠原真)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル