首都高の老朽化対策 3千億円追加 羽田トンネルなど大規模更新へ

古城博隆

 首都高速道路は21日、約22キロの区間で更新や修繕が必要となり、事業費約3千億円を見込んでいると発表した。1号羽田線の羽田トンネル(大田区)や、湾岸線の荒川湾岸橋(江東区江戸川区)などで大規模な更新事業を計画している。

 前田信弘社長が記者会見を開き、昨年12月に設置した専門家による検討委員会の報告を踏まえて発表した。2014年から点検を強化した結果、約22キロの区間で重大な損傷が見つかった。今後の点検で、更新や修繕が必要な箇所はさらに増える見通しという。

運用停止中の可動橋を迂回路に

 羽田トンネルは1964年に開通した首都高初の海底トンネル。漏水に伴う緊急規制が増加して交通に影響が出ており、大規模な修繕が必要という。平日の交通量が約9万台と多いため、運用を停止している可動橋を含むバイパスを迂回(うかい)路として活用する。工事後も迂回路を活用して3車線化して渋滞を緩和する計画だ。

 荒川湾岸橋は1978年開通。2010年の点検では異常は確認されなかったが、20年の点検で部材の腐食や破断が複数見つかった。鋼板による補強のほか、劣化の要因となっている古い塗装を下地からはがして耐久性の高い塗装に変える必要があるという。

 首都高では総延長約327キロのうち、約64キロの区間で約9300億円をかけて更新や修繕を進めている。費用の多くは料金の徴収期間を15年延長して捻出した。首都高に限らず、高速各社で追加の費用が見込まれ、国は無料化をさらに延期する方向で検討中だ。(古城博隆)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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