ユネスコ(国連教育科学文化機関)のロスラー世界遺産センター長は15日、パリのユネスコ本部で上野通子文部科学副大臣と会談し、正殿などが焼失した首里城跡(那覇市)について、引き続き世界文化遺産としての登録を続ける考えを伝えた。上野氏が明らかにした。
上野氏はユネスコ総会出席のため渡仏。ロスラー氏との会談後に会見し、「世界遺産から抹消することはないと伝えられた」と明らかにした。また、ロスラー氏が「首里城の復旧に携わることはユネスコとしても重要なことだ」と述べ、専門家などを派遣する用意があると語ったと紹介した。日本政府は、火災による被害調査が終わった後にこうした支援の受け入れについて判断する見通しだ。
2000年に世界遺産に登録された「琉球王国のグスク(城)及び関連遺産群」には、正殿などの復元された建物ではなく、正殿地下にある遺構「首里城跡」が含まれる。09年にはドイツの「ドレスデン・エルベ渓谷」で、橋の建設で景観が損なわれたとして登録が抹消された例がある。(パリ=疋田多揚)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル