火災にあった首里城は、「琉球王国のグスク(城)及び関連遺産群」として周辺の城跡や玉陵(たまうどぅん)(王家の陵墓)など9件で2000年にユネスコ(国連教育科学文化機関)の世界文化遺産に登録されている。ただ、世界遺産とされているのは、地下の遺構にあたる首里城跡。第2次世界大戦の焼失を経て、平成になってから復元された正殿などは含まれていない。
文化庁の担当者は「地下の遺構にも被害が及ぶのかわからない段階で断言はできないが、世界遺産登録が抹消されることはないと考えている」と話す。4月に火災で尖塔(せんとう)や屋根が焼失したパリのノートルダム大聖堂も、その後にあった今年のユネスコ世界遺産委員会で登録抹消が検討されることはなかったという。
首里城跡が世界遺産になったときにユネスコ事務局長を務めていた松浦晃一郎氏も「周辺と一体で世界遺産登録されており、世界遺産から取り消される心配はないだろう」と話す。
「それでも、非常に残念でならない。世界遺産登録された遺構だけではなく、無形文化遺産の組踊(くみおどり)や、再建された首里城なども一体として、琉球王朝の歴史を示すもの。沖縄のみならず、日本、世界にとって、大切なものだったことにかわりはない」
国内の歴史的建造物は木造が多…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル