香川にモスクができるまで 上から目線だったライターが気づいたこと

 「香川県にモスク(イスラム教の礼拝所)を造ろうとしているインドネシア人がいる」

 フリーライターの岡内大三さん(40)は2019年春、知人からこんな話を聞き好奇心をくすぐられた。

 バックパッカーとして世界を旅し、少数民族や移民、難民をテーマに取材してきた。文献を調べると、日本にはその時点で約100カ所のモスクがあったが、岡内さんの故郷でもある香川にはなかった。

 「異国でがんばる移民の現状を伝え、助けてあげたい」

 そんな気持ちで取材を始めた。だが、2年にわたり計画に密着するうちに思いは変わっていった。

 計画のリーダーは05年に技能実習生として来日したフィカルさん。日本人の妻と結婚して3人の子どもをもうけ、造船所の溶接工に転身。香川のインドネシア人コミュニティーのまとめ役的な存在だった。

初めて会ったフィカルさんは讃岐弁を滑らかに操り、長渕剛の歌が好きという人物でした。モスク建立計画を取材するうちに、岡内さんは、自らの目線のあり方に疑問をもつことになります。

 自宅を訪ねて会ったフィカル…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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