緊急現地取材 香港の“今”
デモ隊と警官隊との衝突が激しさを増す香港では、今月24日に区議会議員選挙が行われました。結果は、中国政府・香港当局に批判的な民主派が圧勝。8割以上の議席を獲得しました。これは1997年、香港が中国に返還されて以降初めてのことです。「ウェークアップ!ぷらす」では選挙直前の香港に飛び、香港の“今”を取材しました。
まるで“戦場” 衝突の舞台となった大学の敷地内
香港の中心部にある香港理工大学。デモ隊の拠点でしたが、先週、事実上警察に制圧されました。「ウェークアップ!ぷらす」のカメラがその大学の敷地内を撮影。大学正面には、警官隊の侵入を阻止するためか、何重にもバリケードが。構内の窓ガラスは全て粉々に割れ、突入してきた警察官に投げつけるためか、ブロックが大量に積まれていました。
香港理工大学では、先週月曜の夜から火曜の未明にかけ、デモ隊と警官隊との激しい衝突が起こり、香港政府は、大学に立てこもっている者は、全員、暴動の罪で刑事訴追すると宣言。最高で10年の禁錮となる重い刑罰です。大学には一時1000人ほどが立てこもっていましたが、その後、投降や脱走が相次ぎ、23日時点では数十人程度に減ったとみられます。
衝突の場となった学びの場。さらに内部に入っていくと、おびただしい数の火炎瓶が散乱。爆発する武器を作ろうとしたのか、オイルの缶も残されていて、大学構内はまるで戦場のようでした。中庭には数人のデモ隊の若者がいて、比較的元気な様子で、携帯電話で外部とやり取りしている人もいました。ただ、食料や水が底をつきかけているうえ、衛生状態も極めて悪いようでした。
さらに今月12日には名門といわれる香港中文大学も衝突の舞台に。警官隊は1000発を超える催涙弾を発射し、デモ隊側も200本の火炎瓶で応酬したといわれています。衝突から10日余り。中文大学では先週、授業再開に向けた復旧作業が行われていました。学生が書き残したとみられるものには「催涙弾は中国製なので、有害物質が含まれている」という趣旨の書き込みがありました。残されていたのは大量の催涙弾。催涙弾によって土壌や水が汚染された可能性が指摘されています。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース