馬毛(まげ)島がある鹿児島県西之表市の市長、八板(やいた)俊輔(68)は11月16日、抗議文を出すため防衛省を訪れた。馬毛島に自衛隊基地をつくり、米空母艦載機の陸上離着陸訓練(FCLP)を移転させる計画に「同意できない」という立場の八板。報道陣に「これまでの市や市民への説明からすると、今回は『ルールを外れている』と申し上げた」と硬い表情で言った。
八板が問題視するのは5日前、防衛省が馬毛島でコンクリートの仮設プラントを設置する工事入札を公告したことだ。
国の自衛隊基地建設を拒める明確な法的根拠が市にあるわけではない。ただし、防衛省は地元に対して「馬毛島はあくまで候補地。計画の段階だ」と繰り返してきた。2月からは、基地建設の環境影響評価(アセスメント)をはじめ、航空機の騒音や好漁場の周辺海域への影響などを調べている最中だ。地元としては、これらの結果をもとに計画の是非を判断することになる、と受け止めていた。
ところが、環境アセスが終わ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル