具志堅直、松山尚幹
馬毛島(鹿児島県西之表市)への米軍機訓練移転に伴う自衛隊基地建設について、八板俊輔市長は2日に開会した市議会定例会で「市民の不安解消にはいたっておらず、同意、不同意が言える状況にはない」としつつ、基地建設を前提にした国との協議を継続していく意思を明確にした。
八板氏は防衛省とのこれまでの協議を踏まえ、安心安全に関する諸課題や環境保全の措置について「今後の注視が必要」との現状認識を説明。そのうえで「今後、国による馬毛島基地整備の進展により、市に求められる行政手続きがあれば適切に対応したい」と、受け入れにもつながる踏み込んだ発言をした。
八板氏は昨年1月の市長選で「基地整備は失うものが大きい」と表明し、反対派市民の支持も得て再選。ただ、建設に反対する自治体に米軍再編交付金は支給されないなどの防衛省の方針もあり、定例会を前に「一定の方向性を示さなければならない厳しい局面にある」としていた。
八板氏の発言について、防衛省の青木健至報道官は記者会見で「公式に、馬毛島の施設整備に関する必要な手続きについて法令に従って進めていくとの考えを述べたと理解しており、大変意義深く、重たいものと考えている」と前向きに評価した。(具志堅直、松山尚幹)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment