山田健悟
石川県の馳浩知事は3月の定例会見を開かなかった。県によると、馳知事は地元テレビ局の石川テレビ(フジテレビ系列)とのトラブルをめぐり、同社社長と定例会見の場で議論することを求めていたが、同社が出席に応じなかったためだという。報道1社とのトラブルを理由に知事が定例会見を開かないのは極めて異例だ。
馳知事は石川テレビが制作したドキュメンタリー映画「裸のムラ」について、自身や県職員の映像を「無断で使用している」などと批判。肖像権について、当事者に許可をとる必要性を求めていた。一方、石川テレビは「特段の許諾は必要ない」などと応じず、平行線が続いていた。
前回の2月の定例会見で、馳知事は「次回は石川テレビ社長の出席を踏まえて、定例記者会見を開催したい」と語っていた。一方、同社は「当社が行うもの以外の記者会見に社長が出席し、当社の考えを述べることはしていない」と反論していた。
会見を担当する県民交流課や同社によると、3月の定例会見の開催に向けて、県は同社に社長出席を求めてきたが、同社が応じなかったため、月内開催を断念したという。県は「今後も継続して出席をお願いする」としている。
知事の定例会見は、馳知事の就任後、月1回開いてきた。県側からの発表のほか、テーマを定めずに質疑応答ができるため、報道陣にとって貴重な取材機会となっている。(山田健悟)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル