駅のホームで流れるアナウンスや電車の発着音を文字や手話で表現する実証実験が15日朝から、JR上野駅(東京都台東区)で始まった。耳が不自由な利用者らが駅を安心して使えるようにするためで、富士通やJR東日本などが12月14日まで実験を続け、実用化を検討していくという。
15日午前10時、京浜東北線・山手線のホーム上で流れたアナウンスにあわせて、自動販売機の上に設置された幅約1・7メートルの装置に「危ないですから、黄色い点字ブロックまでお下がりください」と表示された。駅員による手話動画も流れ、実際に電車がホームに近づくと、「ガタン、ゴトン」と表示された文字が大きくなっていった。
システム開発を手がけた富士通によると、ホーム上の音をリアルタイムでマイクで拾い、AIで情報を識別しているという。「1番線、ドアが閉まります」などの定型アナウンスは文字に変換され、電車の発着音やドアの開閉音はアニメーションの文字で表現する。音や状態を文字で表すオノマトペをモチーフに、「エキマトペ」と名付けた。
きっかけは、耳が不自由な利用者たちの声だった。
富士通などが昨年7月、製品開発でつながりがあった川崎市立聾(ろう)学校の生徒らと「未来の通学」をテーマにワークショップを開いたところ、電車を利用する生徒らから「音声を文字にしてほしい」「モニターに手話を取り入れて」といった意見があり、この装置をつくったという。
昨秋、JR巣鴨駅(東京都豊…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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