2020年10月の休日、社会福祉士の楢府(ならふ)憲太さん(40)は、東武東上線の川越駅(埼玉県川越市)にいた。
改札を出てすぐのコンコースで、数人の通行人が集まり、心配そうな様子で上を見上げていた。
楢府さんがその視線の先を見ると、高さ約7・5メートルの天井から石膏(せっこう)ボードが今にも剝がれそうになっていた。
その数十秒後だったと記憶している。
ボードは天井から落下し、ドスンという音を立てた。
駅員も気づいていなかったようで、落下地点に立ち入らないよう囲いを設けるなどの対応は確認できなかったという。
その後、駅員が駆けつけて囲いをしている最中に、さらに天井からボードが落下した。
全国の駅舎や高架橋といった鉄道施設で、コンクリート片などが落下する事案が、昨年度までの3年間で少なくとも184件あったことがわかりました。朝日新聞が情報公開請求し、国土交通省が開示した資料から判明しました。落下物が子どもに当たってけがをしたケースもあり、国は鉄道会社に安全対策を促しています。
9人犠牲の事故きっかけに国が報告要請
剝がれ落ちた石膏(せっこう)ボードは長さ50センチ~100センチで、重さは合わせて約14キロ。
楢府さんは「突然の落下だっ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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